会社の借金は5年で時効 印鑑を押す時の用心

会社の借金について、例を挙げてお話しいたします。
○○株式会社の社長を7年前まで務めていたAさんは、社長在任時に会社がお金を借りる際の借用書に、署名と印鑑捺印をして連帯保証人になっていました。Aさんが退職した後、○○株式会社は倒産してしましました。
ある日、会社を退職して隠居生活をしていたAさんに「○○株式会社にお金を貸していた」というBさんが訪ねてきました。Bさんの要求は「Aさんは○○株式会社が借金をしたときの連帯保証人なので、会社が無くなった今、連帯保証人の責任で、借金を肩代わりして欲しい。いま全額支払いきれないのであれば、残りはいつ払うか念書を書いて欲しい。」と言うものでした。
この場合、Aさんは、連帯保証人の責任で、以前社長を務めていた会社の借金を肩代わりしなければいけないのでしょうか?


・Bさんの要求はもっともなので、連帯保証人の責任上支払わなくてはいけないのだろうか?
・会社で借金した金額を個人で支払らえるのだろうか?
・Aさん以外の連帯保証人の責任はどうなるのだろうか?
など思い悩んだ末に、Aさんは弁護士事務所に相談しました。

弁護士の見解は、
会社の借金は商事債務というものなので、債権者のほうで5年間放っておくと、法律上とりたてができなくなります。Aさんが社長をしていたのは7年前ですので、会社の借金返済の義務はなくなります。
連帯保証人は本人(この場合○○株式会社)に借金返済の義務がなくなった以上、連帯保証人としての責任も負わなくて済みます。しかし、時効によって無くなった借金もAさんが相手(Bさん)に時効を主張しませんと、時効の権利を放棄した事になり、借金はそのまま残ってしまいます。少額のお金を支払ったり、念書を書いたりしてしまうと、時効の権利を放棄した事になりますので、注意が必要です。
と言うのもでした。

Aさんが念書を書いて、印鑑を押してしまったら、法律上でも立場が逆転してしまいます。
また、債権者のほうでも、5年も取り立てを放っておくという事は、まず有り得ないでしょう。

トラブルが起きたときは、より慎重に対応策を検討するべきだ、という一例です。


日時:2009年8月21日 11:11


Copyright(C) 2009 KOHODO.COM. 印鑑の光宝堂 All Rights Reserved.