「だまされて行なった意思表示は取り消す事ができる。ただし、善意の第三者にたいしては、その意思表示を取り消したといっても効力がない」
相手を信用して売買契約書に署名と印鑑を捺印し、商品を納品したのだが、買い手ははじめから代金を支払うつもりはなく(詐欺行為)、その商品を違う相手(善意の第三者)に転売してしまい、逃げてしまった。
このような場合、だまされたと気がついてから「商品売買は無効なので、商品を返却して欲しい」と転売された善意の第三者に申し立ててみても、効力はなく、商品は返ってきません。
だました相手の手元に商品がないかぎりは、返してはもらえません。
強迫されて契約書に印鑑を捺印してしまった場合は、自分自身が恐ろしい体験をしているので、自分にとって不利な契約を無理矢理させられている事は理解できるのですが、だまされて契約書に印鑑を捺印してしまった場合は、自分がだまされている事に気づかずに契約を進めているので防ぎようがありません。
何度も繰り返してお知らせしますが、特に重要な契約書に印鑑を捺印する際は、慎重に契約内容を確認して、相手方が信用できるのかを確認してからおこないましょう。