市販の契約書に印鑑を押しても意味はない

何かの契約の際に、市販されている契約書用紙が使用される事があると思います。特に、建物の賃貸借契約で直接貸し主と借り主が契約を行なう場合、市販の契約書用紙を用いることが多いです。市販の契約書用紙には、いろいろな契約についての条件が印刷してあります。貸し主が借り主に署名と印鑑の捺印をしてもらうと契約が成立します。しかし、この市販の契約書に印鑑を捺印してから、あとで問題が出てくる場合が多くあります。


市販の契約書にで問題が起こった例

貸し主(家主)と借り主で、賃貸借契約をする際、契約書に署名と印鑑の捺印をしたのだが、契約書は市販されているもので、条件に「家賃を1ヶ月でも滞納した場合、催告なしに本契約は解除されるものとする」「本契約において様々な問題が起こった場合、裁判所にて審議する事に合意します」と印刷がされてあるものでした。
この内容を分りやすく説明しますと、「家賃を1度でも滞納したら、自動的に出て行ってもらいますよ」、「何かのトラブルがあった場合は裁判所での裁判で決着をつけますよ」ということになります。
しかし、貸し主(家主)は借り主に契約書に印刷してある条件についての説明を何もしませんでした。
そして借り主は数ヶ月の後、家賃を滞納してしまい貸し主(大家)は契約書を盾に、明け渡しの請求を迫りました。そして契約書の内容どおり、裁判所での裁判での決着を求めました。

この場合裁判所では、「内容が過酷であり、契約の際に貸し主(家主)が借り主に対して説明を行なわなかった」ことから明け渡しの請求を無効としました。
あくまで「説明を行なわなかった」ことが前提で、借り主に不利な条件があるらといって、必ず無効になるという事ではありません。

例のように家や部屋などを借りる場合は、賃貸借契約を結び契約書を取り交わします。通常は、貸し主(大家)や不動産屋が用意する市販の契約書に賃借料、借りる期間などを記入して、署名と印鑑の捺印をして済ます事が多いです。市販の契約書を使うと、手間がかからず便利です。しかし、その内容を良く読まずに、印鑑を押していまいトラブルになるという事があります。
市販の契約書に係わらず、何かの契約を行なう際には内容を良く確認して、署名と印鑑の捺印をしましょう。

日時:2009年4月15日 11:45


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