捨て印の怖さ

よく「捨て印」として印鑑を捺印する欄があります。皆さんはこの「捨て印」というものをしっかりと理解していますか?
捨て印とは、後でまちがいを訂正するための訂正印として必要な物になります。「さしあたり訂正する箇所はないですが、訂正する必要があったときのために、あらかじめ押しておく印鑑」になります。


何かの契約書に署名と印鑑の捺印をする際に、この捨て印を何気なく押しておいたために、あとで知らない間に契約内容を書き換えられてしまうという危険性もあり得ます。捨て印の欄には本人の印鑑が押してあるので、書き換えられた契約書は、本人の意志で作成されたものと見なされてしまいます。

委任状においても、代理人の名前、委任事項を確認して署名と印鑑の捺印を行った場合でも、「捨て印」の欄があり印鑑を捺印してしまうと、委任事項の書き換えられてしまっても、契約書の場合と同じように、本人の印鑑が押してあるので、書き換えられた委任状は、本人の意志で作成されたものと見なされてしまいます。言うなれば、捨て印を捺印した委任状は、白紙委任状と変わらないものになってしまいます。

このように、「とりあえず捨て印の欄にも印鑑を」と言われたので、「たかだが訂正印」と思い何気なく押してしまいがちですが、とんでもない事になる可能性は充分にあります。

捨て印を押した場合、これ以上の訂正箇所がないとしたら、捨て印は消すようにしましょう。「不要な印鑑は押さない」に越した事はありません。

日時:2009年4月10日 14:00


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